無尽蔵のスタミナで走り続ける「二刀流」アタッカーだ。

J1ベガルタ仙台MF加藤千尋(22=流通経大)は両足を遜色なく操れる器用さ、ハードワークできる献身性が持ち味。「点を取れて守備もできる選手」を理想にトップ下や2列目でのプレーを希望し、タレント豊富な中盤で自分の色を出す。

昨季は関東大学リーグ2部で得点ランキング2位の19試合14得点、シュート決定率42%と流通経大の1部復帰に貢献。運動量もトップクラスで「GPSをつけるようになり、走行距離を見たら自分が一番走っていた」。大学ではほとんどの試合でチーム1位だった。

加藤は2人の恩師に大きな影響を受けた。流通経大柏(千葉)で監督を務めていた本田裕一郎氏(73)からは「勝負に常に勝つことをたたき込まれ、勝負強さの面ですごく学べた」。昨年3月、湘南元監督の曹貴裁(チョウ・キジェ)氏(52=現J2京都サンガF.C.監督)が同大コーチに就任し「『選手から信頼される選手になれ』と言われ、それを意識して1年やってきた」と以前よりもチームのために走り、体を張って守備。成長を実感できるようになった。

特別指定選手として昨季J1デビューを飾った同期のDF真瀬とDFアピアタウィアが身近なライバルだ。加藤は「先にJの舞台を経験し、先を越されている分、すぐ追いついて追い抜きたい」。プロ1年目は「スタメンで試合に出て、5点ぐらいは取りたい」。両足を自在に操り、攻撃の起爆剤になる。【山田愛斗】

◆加藤千尋(かとう・ちひろ)1998年(平10)12月12日生まれ、東京都世田谷区出身。流通経大柏、流通経大を経て新加入。公式戦未出場も昨季は仙台の特別指定選手。寮生活だった大学時代の昼食は自炊することも。愛称「チヒロ、チー」。175センチ、72キロ。背番号26。