J1清水エスパルスの新戦力紹介連載の第9回は、湘南ベルマーレから完全移籍したFW指宿洋史(29)。新たな得点源として期待されるストライカーが、2桁ゴールを目標に掲げた。

    ◇    ◇    ◇

指宿は2トップの一角での起用が濃厚だ。チーム最長身の195センチ。存在感は際立っている。自らを「周りを生かし、周りに生かされるタイプ」と分析し、周囲との連係向上に努めてきた。「試合を通じても突き詰めていく。さらに良くなるし、良くしていかなければいけない。2桁得点を決めたい」と誓った。

プロ入り後は文武両道を貫いてきた。1月末に早大人間科学部eスクール(通信教育過程)の卒業研究発表を終えた。大学のゼミナールを通じて、医療介護福祉の分野に関心を強めた。卒業論文のテーマは「介護施設における、ICT導入による生産性向上について」。後は卒業を待つばかりとなった。「元々、プロと並行して大学に通おうと思っていた。身内にも医療職に関わる人が多かったので」と経緯を話した。

スペイン、ベルギーでのプレー経験があり、外国語も堪能。日本人選手と外国籍選手の架け橋にもなる。クラブには、6人のブラジル人選手が在籍。指宿は自身の海外生活を踏まえて「海外の選手が、異国の地で活躍するのは本当に大変なこと。実際に自分も現地の人に助けてもらった。勝つためには、チームの一体感が必要だし、そこに関して何かしらできることがある」。プレー以外でも貢献する。

今季に向けて「生まれ変わった強いエスパルスを見せる。サポーターと一緒に戦っていければ」と、強い覚悟をにじませた。【古地真隆】

◆指宿洋史(いぶすき・ひろし)1991年(平3)2月27日、千葉県生まれ。高校まで柏レイソルの下部組織で育ち、ジローナ(スペイン)へ入団。その後は複数の海外クラブを渡り歩き、14年にアルビレックス新潟へ加入。17年からはジェフユナイテッド市原・千葉、19年からは湘南ベルマーレでプレーした。195センチ、85キロ。利き足は右。

J1開幕カードなど日程はこちら―>