15年ぶりにセレッソ大阪に復帰した元日本代表FW大久保嘉人(38)が、左足首痛を抱えながら強行先発し開幕2戦連発となる2得点を挙げた。前半5分に右足ミドルを決めると、同22分にもゴール前の混戦を左足で押し込んだ。引退覚悟で復帰したC大阪で、全盛期によみがえったように攻撃陣を引っ張り今季2戦3発。古巣の川崎フロンターレに2-3で逆転負けしたものの、完全復活を証明した。

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大久保のストライカーのDNAがよみがえった。前半5分、ペナルティーエリア右手前でパスを受け取ると、右足を振り抜いた。GKの頭を越え、ミドルシュートがネットに突き刺さった。同点とされた後の同22分にはDF松田陸のクロスを、左足で押し込んだ。

「前半から体力を残さずにやろうとしていた。2点目はいいクロスが入って、一瞬のスキを突きました」

J1通算450試合の節目で、自身のJ1最多得点記録を188に伸ばした。

2月27日の開幕柏レイソル戦で左足首を負傷。出場は微妙だったが、強行先発で誰も予想しないほどの結果を残した。レビークルピ監督は「一番多くの点を取って、パフォーマンスでも証明している。『全く問題ない』とのことだったので先発を決めた」と語った。

15年に3年連続で得点王に立った古巣川崎Fとの対戦で燃えないはずがない。昨季はJ2東京ヴェルディで無得点。「引退」の2文字を背負い、今季C大阪に復帰し開幕から2試合3得点。「ボールが集まるのが大きい。自信はあるし、まだいける」。前人未到のJ1通算200ゴールまであと12点。大記録に到達すれば、4度目の得点王も夢物語ではなくなる。【南谷竜則】