ヴィッセル神戸三浦淳寛監督(46)が6日、今季ブレーク中のMF中坂勇哉(23)に行う指導内容の一環を明らかにした。7日の大分トリニータ戦(ノエスタ)を前に、オンライン取材に応じた。

主に左の攻撃的MFを務める中坂は3月20日、北海道コンサドーレ札幌戦に途中出場。3点差をひっくり返す大逆転勝利の中で、チームの4得点中3点に絡むなど大活躍した。

今季初出場で結果を出し、試合後の三浦監督は「めちゃくちゃ調子がよかった。どこかのタイミングで使いたかった」と絶賛した。迎えた前節4月3日ベガルタ仙台戦では先発に抜てきし、2-0の勝利に貢献していた。

「(中坂は)昨年までと今季は、取り組む姿勢が違う。(話をしている中で)高校生みたいだが、もっとプロ意識を持って、朝起きたら歯磨きや顔を洗い、食事をするのと同じで(練習や試合にも)心の準備が必要だと言った。1年を通して練習場に(全体練習開始の1~2時間前の)午前8時に来て、体の準備をするようにと言いました」

ユースから昇格した中坂は今季が6年目。16、17年は試合も2桁出場を誇っていたが、徐々に存在感が薄れ、18年途中にスペイン3部クラブに武者修行へ、19年途中にJ2京都サンガへ期限付き移籍し、神戸に復帰した20年は2試合の出場のみ。ここまでJ1通算31試合3得点だ。

「元々、技術はある選手。どこで球を受けるかのポジショニングや、試合を落ち着かせるところ、得点に絡むところ、守備のアプローチの仕方は、個人的に徹底してキャンプから言っている」

中坂の能力を開花させようとしていた指揮官は、心を鬼にして学生に対する指導者のような言動で奮い立たせていたという。

「昨年までも(本人に)言っていたが(姿勢が)甘すぎたと思う。うまい選手は世の中にたくさんいる。とにかく今年1年が勝負だと言って、彼が理解してやっているので今がある。ゆるんだらだめ」

ケニア人FWマシカ、ブラジル人FWリンコンがようやく来日を果たし、今後は故障でリハビリ中のMFイニエスタが復帰すれば、日本選手にとってはベンチ入りするのも難しい状況になる。一定の評価をつかんだ中坂にとっては、今が勝負の時だ。【横田和幸】