名古屋グランパスは、数的優位に立ちながら湘南ベルマーレからゴールを奪えず、2戦連続のスコアレスドローに終わった。

堅実な試合運びの一方で、深刻な「得点力不足」の課題が浮き上がった。湘南は前半43分にMF三幸が2枚目のイエローカードを受けて退場処分となった。後半は完全な数的有利で戦った名古屋だが、決定機すら生み出せなかった。

途中出場のFW前田は「自分の中では物足りない。正直、何もできなかった。守備は頑張っているが、前線の選手が決めないといけない。攻撃の『0』は見直さないといけない」と強い危機感を示した。

フィッカデンティ監督の下、堅い守りでチームを構築してきた。結果を出しているが、首位の川崎フロンターレを追いかける立場として、今節で勝ち点5差まで広がった。得点できないことには、その差は縮められない。

今季から移籍のMF長沢は、7試合連続無失点を「このチームのいいところ。失点しなければ負けない」と話す一方、「引き続き0は継続して攻撃に頭を切り替えていきたい」と話した。消化試合数が1試合多いとはいえ、22得点の川崎Fに対し、名古屋は9得点。明確な課題として、浮き彫りとなった。【実藤健一】