“15分勝負”がキーワードだった。7日、J1のヴィッセル神戸がリーグ3連勝を飾った大分トリニータ戦(ノエスタ)。三浦淳寛監督(46)は試合後、開口一番「『最初の15分が勝負』というところでしっかり結果を出した」と分析した。3位浮上の鍵は試合開始からの15分間にあった。

準備段階から相手の5バック、4バックを想定。15分間、前線からプレスをかけることを徹底した。三浦監督は「いい位置でボールを奪うと、得点のチャンスが増える。実際に試合が始まって15分以内で得点も取れた。良かったと思う」と振り返った。

どちらの土俵で戦うか-。

そのせめぎ合いが続く時間帯。神戸は前半11分、日本代表FW古橋亨梧(26)が決勝点をもぎ取った。

今季はリーグ戦5勝1敗2分け。全ての戦いが同じ戦術ではないが、開始15分での失点は0だ。「公式戦」でくくると、今季喫した黒星は2。0-2で敗れた3月28日のルヴァン杯FC東京戦は前半11、14分と立て続けに2失点した。0-1で敗れた3月13日のJ1名古屋グランパス戦も、前半19分と早々の失点だった。立ち上がりが安定した試合は、自然といい結果へつながっている。

元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)を故障で欠く状況下でリーグ3位。DF山川哲史(23)は「(守備の意識は)三浦監督から強く全員に言われている。セットプレーのCK、FKからの失点が多分ゼロ。そういうところに対する準備は、普段の練習からやっている。成果が今は出ている」と胸を張った。目には見えない「集中力」。それも今季好調な要因かもしれない。【松本航】