サッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ北海道が18日、札幌・東雁来公園で開幕する。2年連続優勝を狙う旭川実高は、コロナ禍の影響を受けた昨年は6戦全勝優勝したが、上位リーグのプレミアリーグ復帰への参入戦が不実施。選手権北海道大会決勝敗退も含めて不完全燃焼に終わった。プリンスリーグ制覇など高校3冠を狙う強豪が、今季のスタートを切る。

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昨年覇者の旭川実高はてっぺんだけを見据えている。今年狙うのはプリンスリーグ、総体道予選、選手権道大会の高校3冠。まずは18日のプリンスリーグ初戦に向かう。主力のMF大泉椋耶(りょうや、3年)は「去年はプリンスで優勝したけど、全国には行けていない。自分たちの代でしっかり全国に行けるように、プリンスで勝って選手権につなげられるように戦っていきたい」と意気込んだ。

本来はプリンスリーグ優勝でプレミアリーグ参入戦に出場できるが、コロナ禍で昨年は実施がなかった。さらに昨年10月の選手権北海道大会決勝では札幌大谷に0-1で敗退し、全国出場を逃した。ただ一人、2年生で出場した大泉は「3年生はレベルが高い代だったが、その中で自分のやれることの少なさというか、通用しないことがはっきりわかった。あらためて冬頑張ろうと思った」と口にする。

チームは冬場、膝上まで雪が積もる中、雪中サッカーを行うなどフィジカル面の強化につなげた。体育館では、オフェンスとディフェンスが4対2となってパスを回す「鳥かご」と呼ばれる基礎練習で球際の強さを磨いた。

コロナの影響で例年より実戦不足はあるが、3月中旬から約2週間の道外遠征で自信もつけた。栃木など関東を主な拠点に、ハーフゲームなども含め20試合ほど対外試合を行った。1月の全国選手権覇者の山梨学院をはじめ、互いにフルメンバーではない試合もあったが全国常連校と対戦し経験を積んだ。

富居徹雄監督(49)は「経験値が少なくまだまだ。これから本当の勝負になっていく」と、伸びしろのあるチームに期待する。DF中村大剛主将(3年)は札幌創成高との開幕戦に向け「キャプテンになって、責任感は去年より一層上がっている。ゴール前の数センチ、数十センチというところを意識していきたい」と意気込んだ。【山崎純一】

■北海道大谷室蘭「準備は順調」7年ぶり優勝だ

昨年プリンスリーグ3位の北海道大谷室蘭は、7年ぶりの優勝を目指す。及川真行監督は(46)は「状態がいいわけではないですが、試合を重ねて開幕に向けての準備は順調です」と現状をみている。3月下旬の道外遠征では静岡・御殿場などを拠点に15試合ほど実戦を重ねた。「勝ち点を積み重ねて、優勝争いに絡んでいけるようなスタートを切れたら」と話した。

◆プリンスリーグ北海道 8チームの2回戦総当たりで最終14節は10月3日。優勝、準優勝チームはプレミアリーグ参入戦の出場権を得る。下位チームはブロックリーグに降格(チーム数はプレーオフほかの結果次第で決定)する。