名古屋グランパスのFW相馬勇紀(24)が、東京五輪代表入りへ1歩ずつ前進している。

22日に開催されたJ1リーグのガンバ大阪戦。本拠地豊田スタジアムの左サイドを攻守ともに駆け巡る姿は、目を見張った。全2得点に絡んで2-0の完勝に貢献した。

前日には東京五輪の組み合わせ抽選が行われ、相馬は生配信された模様を見ていたという。日本の1次リーグA組には南アフリカ、メキシコ、フランスが入った。

「リアルタイムで見ていて、今日の試合(G大阪戦)とは別に、単純にわくわくしているというか、メディアで強いグループになったと言われたが、自分からしたらどの相手でも倒せないと優勝はできない。(抽選を見て)わくわく感が広がって、充実してやれている」

相馬は「相手が決まったから(G大阪戦で)モチベーションが上がるというのではよくない」と注釈をつけたが、それにしても、このG大阪戦は左サイドでの推進力が際立った。

前半29分には緩急自在のドリブルから、ゴール前のFW山崎へ好クロスを供給して先制点が生まれた。後半10分には、DF吉田豊の縦パスをドリブルで持ち込んだ相馬が、切り返して右足で追加点を奪った。

相馬のゴールは、開幕2戦目の北海道コンサドーレ札幌戦以来10試合ぶり今季2点目。印象では、もっと得点していると錯覚するほど、今季の背番号11は体が切れている。

「結果を出せたのは、自分の中で一番大切でよかったが、結果を出すのが当たり前にするのが大切」と過剰な喜びはない。開幕から全12試合、計659分のプレーにはひょうひょうとした表情には似合わない、骨太の力強さを感じる。

そして注目は、29日と5月4日に連続して行われる川崎フロンターレとの首位攻防2連戦だ。川崎Fと勝ち点3差の2位名古屋にとっては、11年ぶりのJ1優勝へ連勝が求められる。特に相手の三笘とは、五輪代表で同じ位置を争うライバルだ。しびれる試合になることは必至だ。

「川崎Fとは決勝戦の位置づけだが、やることは変わらない。向こうが上だとも思っていない。全員で勝利をもぎ取りたい」

早大出身でプロ3年目のアタッカーが、大一番に真正面からぶつかる。【横田和幸】

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