ヴィッセル神戸のブラジル人、FWリンコン(20)が待望のJリーグデビューを果たした。24日のJ1リーグ鹿島アントラーズ戦(カシマ)。後半34分から途中出場し、約15分間プレーした。新型コロナウイルスによる入国制限を経て、新星がようやくお披露目された。

「今日が待ち遠しかった。あまり自分がボールに触れられなく、次はもっと長い時間プレーして、チームに貢献していきたい」

180センチ、79キロのストライカーはシュート0本に終わり、まだ本来の姿は見せていない。ただブラジルの名門フラメンゴで育ち、U-20代表でも活躍。クラブワールドカップ(W杯)にも出場経験があり、カナリア軍団の次期エース候補だ。時間の経過とともに、状態が上がっていくのは間違いない。

これで神戸の今季の戦力がほぼ出そろい、あとは故障明けの主将MFイニエスタの約4カ月半ぶりとなる、今季初出場を待つだけ。

現在、チームに在籍する外国籍選手はDFフェルマーレン(ベルギー)、MFサンペール、イニエスタ(いずれもスペイン)、FWドウグラス(ブラジル)、マシカ(ケニア)、リンコンの6人(ドウグラスは故障とみられ、6試合連続ベンチ外)。

三浦監督は、23日の取材で「練習にほぼ完全合流している中で、イニエスタにしかできないプレーがたくさん出ている。僕も早く復帰してほしいと思うと同時に、強い姿で復帰できるように待ちわびている」と、秒読みとなった世界スターの復帰に言及している。

チームは直近7試合は3勝4分けと不敗。ただ最近3試合は計2点しか取れずに連続ドローに終わり、24日時点で6位。優勝争いへは大きな壁にぶち当たっている。そこにリンコンやマシカが先発に入り、イニエスタが復帰すれば、今季のベースである4-4-2だけではなく、昨年までの4-3-3システムとの併用も考えられる。可能性は無限にある。

神戸は今後、公式戦ホーム3連戦が待つ。緊急事態宣言の影響で、その3試合は無観客に変更されたが、イニエスタを含むタレントたちが、どう化学変化を起こしていくか興味は尽きない。【横田和幸】

【神戸の今後の公式戦】

▼4月28日 ルヴァン杯・大分トリニータ戦(ノエスタ)

▼5月1日 J1・サンフレッチェ広島戦(ノエスタ)

▼同5日 ルヴァン杯・FC東京戦(ノエスタ)

▼同9日 J1・横浜Fマリノス戦(日産ス)

▼同15日 J1・セレッソ大阪戦(ノエスタ)