北海道コンサドーレ札幌は湘南ベルマーレと0-0で引き分けた。今季無失点は同じくスコアレスドローだった3月17日浦和レッズ戦以来、7試合ぶり2度目。リーグ最多タイ9得点のFWアンデルソン・ロペス(27)が両チーム最多4本のシュートを放つも決めきれなかったが、試合終了間際に連続で訪れたピンチをしのぎ、敵地で勝ち点1を死守した。

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札幌は残り5分、幾度のピンチを乗り切った。後半40分のFKから6連続セットプレーで攻められた。同42分、右CKからの相手オーバーヘッドシュートはクロスバーに直撃。混戦でのこぼれ球からのシュートはGK菅野がはじいてしのいだ。同ロスタイムにはゴールを割られたかに見えたシュートはオフサイドの判定に。何とか得点を許さず手にした勝ち点1。ペトロビッチ監督(63)は「引き分けは妥当な結果」と納得した。

守備で工夫があった。前半の半分ほどは、昨季から取り組む運動量が必要なハイプレスをせず、ブロック守備を敷いた。DF福森は「後半走れる要因だった」と振り返る。最後まで走り負けず、今季リーグ戦2度目の無失点につなげた。指揮官も「選手たちは集中を切らさず、後半は危険な場面もあったがよく守ってくれた」とほめた。

攻撃では「湘南の風」に悩まされた。試合の時間帯は風速4メートルほどながら、セットプレーでは置いたボールが転がった。風上の前半はボールが伸び過ぎ、後半は押し戻され「風の影響を大きく受けたゲーム。コンビネーションも難しかった」と同監督。シュート数で相手を7本上回る15本。押しながらボールの制御に苦しむ場面もあったが、アウェーでつかんだ勝ち点1だった。

これで公式戦3戦負けなし。チームで唯一のリーグ戦フル出場を続ける福森は言う。「複数得点、無失点を目指していかないといけない」。順位は14位をキープ。猛攻に屈せず手にした勝ち点をさらに伸ばして浮上を狙う。【保坂果那】