北海道コンサドーレ札幌はソニー仙台(宮城)に5-3で勝利し、3年ぶりに初戦を突破した。

FW中島大嘉(19)が、2-2で迎えた前半22分の勝ち越しゴールからハットトリックを達成。ベテランMF小野伸二(41)のチーム復帰後初得点に続き、プロ1年目の若手が存在感を示した。

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高卒ルーキーがハットトリック達成だ。公式戦は5月19日ルヴァン杯鹿島戦以来の出場。気合十分に、1トップで走り回って3回戦進出に貢献した。誰が見ても奮闘が伝わったが「3点取れたのはすごくうれしいけど、それ以外のプレーを考えると3点取ってもプラマイゼロ。そこまで舞い上がっていない」と浮かれることはなかった。

試合はシーソーゲーム。取られて、取って、最後は何とか突き放した。5点中3点を稼いだのは前日8日に19歳の誕生日を迎えたチーム最年少。2-2で迎えた前半22分。高く飛び込み、ヘディングシュート。同28分にはカウンターから抜け出し、押し込み2点目を奪い、4-3の後半39分に再び頭で合わせた。「ヘディングはストロング」と話す武器を発揮した。

「いい船出を自分に飾らせてあげたい」と前日話していたとおり、19歳初戦を飾った。ただ理想は高く、満足はしない。「試合前、思い描いていたプレーと程遠かった」と悔しがる。なぜなら「また調子乗っている思われるかもしれないけど…」といたずら顔で「5、6点くらい取ったらやばいなと思っていた」。その心意気が、成長につながっている。

まだ主力奪取を狙う控え組だが、アピールに成功した。ペトロビッチ監督(63)は「相手の脅威になっていた。機会があればチャンスを与えたい」と評価した。公式戦で10点取ったら脱丸刈りを宣言している。今季ルヴァン杯で1得点しており、あと6点だ。【保坂果那】

◆札幌の天皇杯 最高成績はJ2時代の06年の4強。初戦の3回戦で新日鉄大分を下すと、千葉、新潟、甲府とJ1チームに3連勝。準決勝でG大阪に1-2と惜敗した。同じくJ2だった04年は8強で、2戦目の4回戦からJ1の千葉、大分を連破。準々決勝の磐田戦は0-0で延長戦となり、Vゴールで敗れた。初戦敗退は9度。そのうち6度がJ1時代。

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