G大阪がJ1残留に1歩前進した。ホーム柏戦は2-1で制し、連敗を4で止めて13位に浮上。FW宇佐美貴史(29)が前半3分、角度のない左サイドからJ1で初めて直接FKを決めるなど、全得点に絡む1ゴール1アシストの活躍。

負ければ残留争いに完全に巻き込まれていたが、6試合ぶりの勝利、ホームでは約2カ月ぶりの白星で勝ち点33に伸ばした。

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負ければ23年ぶりとなる5連敗を阻止したのは、エース宇佐美だった。前半3分、角度のない左サイドで得た直接FKを右足で振り抜くと、低い弾道でゴール右隅に決まった。

「(ゴール)手前で誰かが触ってもいいし、触らなくても入るように意識して蹴った。セットプレーでゴールがなかったので、功を奏してよかった」

天才と呼ばれる男も、J1での直接FKでの得点はこれが初めて。同26分にもFKでDF菅沼の追加点をアシスト。全得点に絡んで威厳を示した。

主将DF三浦と昌子、FWレアンドロ・ペレイラと小野らが故障で離脱。この日は主将マークを巻いたMF倉田が、右大腿(だいたい)を負傷して途中で退いた。直近4試合で10失点していた守備など危機的状況の中、全員でカバーして1失点に抑えた。

今月上旬までの地獄の15連戦を乗り越え、宇佐美は「練習、睡眠を工夫して(体調は)だいぶよくなってきた。チームに勝ちをつけるプレーができると思う」と自信を見せる。松波監督も「キックの精度がよくなっている」と宇佐美の復調を喜ぶ。G大阪がエースとともに名誉挽回の秋を迎えた。【横田和幸】