天皇杯連覇を狙う川崎Fが、鹿島を3-1で下して準決勝に駒を進めた。早ければリーグ連覇が決まる11月3日の浦和戦(等々力)にも弾みをつけた。

前年度初めて成し遂げたシーズン2冠(リーグ戦、天皇杯)に続く、2年連続の2冠へ大きく前進した。12月12日の準決勝には、C大阪と浦和と大分が勝ち上がった。決勝は同19日に国立競技場で行われる。

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リーグ優勝が迫る高揚感の中、川崎Fはもう1つのタイトルへ勝ち上がった。1-0の後半3分、MF脇坂のシュートがゴール前でFW旗手の頭に当たり追加点。同6分には脇坂が豪快な左足シュートで3点目を奪った。鬼木監督は「ハードワーク、球際、切り替え、全てよくやってくれた。天皇杯というタイトルを取ろうと、気持ちの表れたゲームだった」。順当に4強入りして、「2年連続2冠」の偉業に近づいた。

24日のリーグ清水戦から中2日、等々力のピッチには同じ11人が並んだ。FWマルシーニョは快足で何度もDFラインの裏を突き、FWレアンドロ・ダミアンは全速力で相手GKに圧をかけた。相手にボールが渡っても、MF橘田が素早く回収した。試合前、鬼木監督は「中2日(川崎F)と中3日(鹿島)。中2日のチームが、強気で行ったらどうなるんだ?」とハッパをかけたという。調子のいい選手たちは躍動して、前半にオウンゴールで先制すると、後半頭には3分間で2点を決め、鹿島の出ばなをくじいた。

J3長野、J2千葉と、格下相手に120分で勝ちきれず、PK戦をなんとか勝ち上がってきた。2年連続2冠となれば、93年~94年にリーグ戦とナビスコ杯(現ルヴァン杯)を連覇したV川崎(現東京V)以来2例目となる。旗手は「まだ1つもタイトルをとっていない。あと2つ、タイトルをとりたい。強い気持ちで臨めば実現できる」と力強く宣言した。昨季の最速Vや最多勝ち点に続く、歴史的な偉業が見えてきた。【杉山理紗】