第100回全国高校サッカー選手権は10日午後2時5分から東京・国立競技場で決勝が行われ、熊本県勢初優勝が懸かる大津と、3大会ぶり3度目の優勝を目指す青森山田が対戦する。

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初の決勝に臨む大津の親心が野球界やYouTubeも巻き込み、チームを後押しする。準決勝進出が決まった際、滞在日数延長で、資金不足が懸念されていた。保護者会会長の坂田寛之さん(48=会社員)が中心となり協力を求めると、1000万円を超える賛助金が集まった。熊本出身のプロ野球、ヤクルトの村上宗隆内野手(21)らの貢献度が大きかった。多くの人たちの思いを背負い、強豪・青森山田に挑む。

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公立の強豪・大津は熊本の県立高。私学と比べ、潤沢な資金があるわけではない。準決勝進出で、滞在延長に伴う資金不足が懸念されていた。保護者会会長の坂田さんが、子どもたちのために動いた。ベンチ外の部員、貫征(3年)の父でもある坂田さん。「いつもホームページを見て応援していただいている方に、街頭募金のようにご協力いただければと思っていました」とインターネットを通じ、呼びかけた。

準々決勝の4日午後8時から募集開始。1口3000円からだったが、10万円の大口賛助もあった。予想金額は200万~300万円だったが、たった1日半で1000万円を超える賛助金が集まった。想像をはるかに超えたため、6日に打ち切り。子どもたちを応援したい-。純粋な思いが、世間へ波及した。

他ジャンルの著名人の影響もあった。開始直後の4日20時18分にリツイートしたのは、東京オリンピック(五輪)で金メダル獲得に貢献したヤクルト村上だった。同じ熊本出身のスラッガー。高校は九州学院に進んだが、5日の20時40分にも「頑張ってください!!!」のコメント付きで引用リツイートした。

本田圭佑似で、本田にも公認されているサッカー系YouTuberの「MAKIHIKA(マキヒカ)」は自身も賛助し、協力を呼びかける約2分の動画を投稿(9日時点で16万回を超える視聴回数)。自身のツイッターにも投稿し、盛り上げに協力した。坂田さんは「ありがたいですし、びっくりしました」と驚きを隠せなかった。

「公立だからって甘えるな」「お金がないなら出るな」などと、心ないコメントもあった。坂田さんは「応援してくださっている方のためにも、きちんとした試合を見せないといけない」と、平岡総監督、山城監督らと誓いを立てた。「選手権」は、人々の思いでつながっている。

【栗田尚樹、磯綾乃】

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