J2横浜FCの元日本代表FWカズ(三浦知良、54)が11日、JFL鈴鹿ポイントゲッターズに期限付き移籍することが正式に決まった。

昨季までJ1を主戦場にしていたレジェンドがJリーグ実質4部相当、アマチュア主体のリーグに戦いの場を移す異例の決断。三重・鈴鹿市に拠点を置く新天地のクラブのことなど、基礎からおさらいする。

【クラブ関連】

◆鈴鹿ポイントゲッターズ 2009年(平21)にFC鈴鹿ランポーレとして創設され、20年2月に現クラブ名に。ほぼアマチュア選手で構成され、午前中に仕事、午後から練習という形態を取る。本拠スタジアムは三重交通Gスポーツの杜鈴鹿など。JFLに昇格した19年は12位、20年は5位、21年は4位。21年2月にJリーグ百年構想クラブに認定され、同年9月にJ3ライセンスも交付された。吉田雅一社長(40)。

◆女性監督で話題に 日本の全国リーグで男子チーム(第1種)に史上初となる女性監督(スペイン人のミラグロス・マルティネス・ドミンゲス)を19年に招聘(しょうへい)し、21年7月まで指揮。その後はカズの兄、三浦泰年GM(56)が兼任で指揮を執り続けている。

◆昨季の鈴鹿は JFLは全17チームで争い、いわきFC、ホンダFC、ヴェルスパ大分に次ぐ、鈴鹿は15勝5分け12敗の4位だった。競技成績(JFL4位以内、かつ百年構想クラブのうち上位2クラブ=鈴鹿はいわき、大分に次ぐ3番目)を満たせず、惜しくもJ3入会は果たせなかった。総得点51は5番目の成績。ベストイレブンなど個人表彰選手はなし。現在は今季の戦力編成中だが、昨季7ゴールでチーム得点王(全体19位)のFWエフライン・リンタロウは、同じJFLのFC大阪移籍が決まっている。

◆今季のJFLは 昨季優勝のいわきFCがJ3へ昇格、FC刈谷が地域リーグに降格&新宿がJFL昇格を決め、第24回を迎える今季は昨季より1チーム減の全16チームで争う。既に概要は発表され、3月13日開幕(カード詳細は後日発表)、11月20日の最終節まで2回戦総当たりで1チーム全30試合を戦う。JFLはクラブによってはバス移動が多く、過酷な環境ともいわれる。

◆J3へ昇格(入会)するには (1)Jリーグ百年構想クラブに認定(2)J3ライセンスを交付(3)Jリーグ理事会で入会を承認(4)JFLでの競技成績を満たすこと。鈴鹿は(1)と(2)をクリアしており、大きなノルマは競技成績になる。JFLの最終順位が4位以内であり、かつJFLに属する百年構想クラブのうち、上位2クラブに入っていることが要件になる。

【街関連】

◆鈴鹿市 1942年(昭17)に誕生。三重県中北部に位置し、東に伊勢湾、西に鈴鹿山脈がある。人口は約20万人。世界的なレーシングコース「鈴鹿サーキット」があり、F1の日本GPやオートバイの8時間耐久レースなど有名。農業では茶や花木、水稲などの生産が活発。名誉市民には本田技研(ホンダ)設立者の本田宗一郎氏ら。

◆鈴鹿市の主な出身者 サッカーでは四日市中央工-名古屋グランパスに進んだFW小倉隆史、今冬にセルティックへ移籍したMF旗手怜央らが有名。他は元ビーチバレー浅尾美和、俳優田中哲司ら。