生徒も暴力。熊本県八代市の私立、秀岳館高で、30代男性コーチが3年生部員に暴行して書類送検されたサッカー部で、部員も入学前の中学生に暴力を振るっていたことが27日、分かった。

3月、県外から入部予定だった中学3年生が、入学前に選手寮の食堂で、当時2年生部員1人から暴力を振るわれたとして、生徒の保護者が警察に被害届を提出。それを受けて、警察が4月18日までに、調査を行っていた。なお被害生徒は退寮して、スポーツ推薦で入学できなくなった。

学校側は、聞き取り調査を行った。目撃者と被害生徒の主張に食い違いがあったが、関係者は「背中を平手でたたいた感じなんですが、それでも背中を触った時点でアウト」。学校として暴力という認識かと問われ「そうなる」と認めた。

同関係者は「(警察は)送検する場合は連絡します、と言われたが、現時点で来ていません」と話した。

<秀岳館サッカー部暴力騒動経緯>

◆20日 第三者からの連絡があり、学校側が、サッカー部の寮内で部員が30代の男性コーチから殴る、蹴るの暴行を受けている動画が拡散している事実を確認。

◆21日 県警が午前中に学校を訪れて、3人が事情聴取を受けた。

◆22日 選手11人がサッカー部公式ツイッターに経緯説明の動画を投稿して、謝罪を行った。学校関係者の姿はない動画だった。

◆23日 謝罪動画は再生回数100万回を超えたが、削除された。23、24日のリーグ戦6試合が延期になる。

◆25日 学校は、学年ごとの集会を開いて、合計3時間にわたって、生徒約1000人に事情を説明。段原監督はテレビ生出演で一連の騒動を謝罪。一方で、暴力動画を拡散させたとされる部員2人を加害者扱いして、強い口調で責める、同監督の音声がツイッターに投稿される。

◆26日 学校が、ツイッターの音声について、同監督の不適切発言だったことを認めて、謝罪。また暴行をした当該コーチが、すでに退職願を提出していたことが判明。ただ学校側は警察が捜査中であるために、その扱いを保留している。