7月にFC東京から古巣に帰ってきた名古屋グランパスの元日本代表FW永井謙佑(33)が、約1年ぶりのゴールを決めた。昨年7月11日湘南戦以来の待望のゴールで移籍後初得点。

「うれしいですね。デビューさせていただいたチームでまたスタートを切ることが出来た。チームの勝利のためにやっていきたい」。心から祝福する仲間の真ん中で、両手を突き上げて喜びを爆発させた。

2-0の後半19分だった。ゴール前に走り込んできたMF永木にパス。永木のシュートはブロックされるも、浦和GK西川がはじいたボールを体に当て、右足で押し込んだ。

「1度移籍してしまって、僕自身も辛い思いをしたが、ファミリー(サポーター)はもっと辛い思いをしている。結果でチームに貢献して、認めてもらうしかない」。福岡大から11年に名古屋入り。ベルギー1部のスタンダール・リエージュ移籍をはさみ、16年末まで在籍した。しかし同年にJ2降格が決まり、契約交渉も難航して東京へ移った経緯があった。

サポーターは受け入れてくれるのか。活躍を喜んでくれるのか。「そこの不安は正直あった」。心配は無用だった。「おかえりー!」。名古屋に帰ってから、温かな声をもらった。「すごく頑張らないといけないと感じています」。

6シーズンぶりの復帰は家族の後押しがあった。練習に合流した先月には「長男が小学3年生になるんですけど、『ゴールを取っているパパが見たいなあ』と、そう言われました」と話していた。

そして、この日の試合後。「娘が『私も言ったよ』と怒っていたので、書いてくれるとうれしいです」と笑顔で明かした。次は楽しみにしてくれる家族の前でゴールを決める。