Jでも「三笘の1ミリ」のような小さな誤差も見逃さない判定が実現する。
2月17日に始まる今季のJ1で、オフサイドの判定に新たなシステムが使われる。主審を援助するビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が見るオフサイドラインが、原則的に選手の接地面に引かれる「2D(2次元)」から「3D(3次元)」に変わる。立体的に選手の位置を把握できるようになり、判定の精度向上が期待される。
欧州主要リーグやFIFAワールドカップ(W杯)では既に3Dが使われている。しかし、予算の問題があり、J1では2Dのままだった。カメラの台数が限られ、選手のポジショニングによっては頭や肩の位置を正確に捉えられないという課題があった。
会場のカメラが2台から5台に増える今季からは、2Dでの判定が難しい場合に3Dでの確認ができる。頭や肩からも垂線を引けるシステムで、守備側は青、攻撃側は赤のラインで位置関係が示される。採用済みのリーグでは数センチの差で判定が覆ることもあり、より厳密な判定が可能になる。
リーグ戦に先立ち、2月11日の富士フイルム・スーパーカップの横浜-甲府でも採用される。VARの作業量が増えるため、最終的な判定に要する時間が延びる可能性もある。日本サッカー協会審判マネジャーの佐藤隆治氏は「(担当審判員は)正確性を担保しながら、1秒でも速くやれるようにトレーニングをしている」と理解を求めた。