やはり頼れるのはキャプテンだった。浦和レッズの主将、DF酒井宏樹(32)が鮮やかな今季初ゴールを決めて、チームの3連勝に貢献した。

「新潟がすごくいいパフォーマンスをしていて、体を張るシーンが多くなったが、勝てているのは今のチーム状態を表しているし、大人になってきた証拠なのかなと思う」

開幕からここまで2勝2分けと唯一無敗だったアルビレックス新潟に逆転勝ちし、リーグ5位に浮上した。

前半10分と早い時間に先制を許すも、焦らず反撃の時間を待った。そして、前半35分。ゴール前の混戦で浦和が粘り、こぼれ球に酒井が右足を振り抜いた。強烈なシュートは、ゴール右上に突き刺さった。「入って良かった。でもあのゴールはきっかけでしかない」。前半ロスタイムにDF明本の今季初ゴールで追いつくと、最後までリードを守り抜いた。

3日前の15日には、今月下旬のキリンチャレンジカップを戦う日本代表が発表された。昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会で16強入りに貢献した酒井は、今回選ばれなかった。それについて問われたが、穏やかな口調で語った。

「僕はW杯の後も森保監督と話しましたし、最近も話して、こうなることは予想していた。僕や佑都くん(長友)に代わるいい若手が出ることを願っているし、それが日本代表の将来にとってはいいこと。いい選手は育っているので、あとはいい経験を積んでいってほしいと思っている」

それでも、日本代表を率いる森保監督が「彼らがやってくれるということは、計算できるところがあります」と話していた通りの活躍。サポーターたちからもねぎらわれたが「もっとやらないといけない。一応W杯に3回出ているので(笑い)」と即答。経験豊富な頼もしいキャプテンが、浦和をさらに強く成長させるはずだ。