ヴィッセル神戸の主将で元スペイン代表のMFアンドレス・イニエスタ(39)が25日、神戸市内で記者会見を開き、今夏限りでの退団を正式に表明した。神戸との契約は今季末まで残っているが、途中での退団となる。

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首位を走る神戸のスタイルが、ハードワーク重視となっていることもあり、今季は出場を減らしている。18年の加入時から、神戸は「バルサ化」を掲げ、ショートパスを多用したポゼッション重視のスタイルでチーム作りを進めていた。その後、ポゼッションスタイルへの対抗策として、世界の潮流が堅守速攻スタイルが増えたこともあり、現在の神戸も全体が連動する守備をベースとした戦いを選択している。その中では、運動量と強度を発揮できる選手がファーストチョイスとなり、イニエスタは試合の流れを変える存在として途中出場での起用となっている。今季リーグ最長の26分間プレーした5月7日の横浜FC戦のように、長時間ピッチに立てば必ず好機を演出するのはさすが。ただ、立ち上がりから相手にプレッシャーをかけ、追い込むことでペースを握りたいチームの中では、その技術を終盤の勝負どころで生かすことが求められている。

◆アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日、スペイン生まれ。12歳からバルセロナの下部組織に入り、02年プロデビュー、欧州CL4度優勝。W杯は06年から4大会連続出場、10年南アフリカ大会ではオランダとの決勝で勝ち越しゴールを挙げ、母国を初優勝に導く。18年夏に神戸に移籍し、19年度天皇杯優勝、20年ACLベスト4、21年J1リーグ3位に。J1通算113試合21得点。171センチ、68キロ。家族はアンナ夫人との間に子ども5人。