J2藤枝と清水の「静岡三国決戦」が30日(藤枝サ、午後1時)に行われる。5月の前回対戦は清水が5-0で圧勝。リーグ終盤の行方を左右する一戦に向け、両クラブの熱血漢が火花を散らした。ホームでリベンジに燃える藤枝の須藤大輔監督(46)は、守備にメスを入れた新スタイルで真っ向勝負を挑む構えだ。清水を率いる秋葉忠宏監督(47)は超攻撃的スタイルで大勝した前回対戦の再現を誓った。【神谷亮磨】
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悔しい敗戦を糧にして、たくましくなった。藤枝は7月9日の甲府戦から8戦勝ちなしで、順位も9位から17位まで転落。泥沼の4連敗で迎えた今月10日の熊本戦が転機になった。須藤監督は「勝つことで自信を取り戻すことを優先した」。チームスタイルだったハイプレスから、自陣でブロックを敷く守備を構築。2-0で完封勝利を収めた。理想を捨て、現実的な戦いにかじを切ったことがチーム状況を好転させた。
その後の首位町田(0△0)と、東京V(2△2)との上位陣には2試合連続でドロー。指揮官は「自信になっている」と手応えを口にするも、満足はしていない。「引き分けでオッケーと言われるのが悔しい」。目指すのは新スタイルでの勝利。清水戦に向けた調整では本来の攻撃的な姿勢を植え付けるメニューも組んだ。守備的な戦い方はあくまでもオプションの1つ。リベンジマッチは「勝ちを目指した我々のサッカーで真っ向勝負する」と言い切った。
磐田戦を含めた「三国決戦」はここまで3戦全敗。負けたまま終わるつもりはない。須藤監督は「勝ち点3を取ることしか考えていない」。やられたら、やり返す。試合展開に応じた柔軟な戦い方で難敵をねじ伏せる。