名古屋は29日、昨季限りで戦力外となり退団したDF大森征之(32)が現役引退したと発表した。

 大森は広島、鳥栖をへて98年に名古屋へ移籍加入。主にDFとして守備を統率し、昨季までの11年間でJ1通算208試合に出場した。

 J1に200試合以上出場しながら、得点ゼロという極めて珍しい成績を残した「守備の人」は職人肌で理論派。戦術眼に優れ、多くの監督から信頼を寄せられ、名古屋の最終ラインに欠かせない存在として何度もピンチを救った。

 ただ、昨季は右ひざの故障で公式戦出場がなく、戦力外通告を受け退団。トライアウトなどは受けず、その後は国内、海外含めどのクラブにも所属していなかった。

 大森は名古屋の広報を通じ「2008年シーズンをもちまして、現役を引退することに決めました」と報告。サポーターへの感謝の言葉とともに「選手育成に強い興味がありますので、指導者としての勉強も行っていきたい」とコメントを寄せた。