<ナビスコ杯:大分1-1浦和>◇20日◇予選リーグA組◇九石ド

 序盤から一進一退の攻防が続いた。リーグ戦9連敗中の大分はGK西川周作を今季初めてスタメンから外し、下川誠吾が先発出場。MF鈴木慎吾もベンチスタートとなった。一方の浦和は、左太もも痛で遠征に帯同しなかったDF田中マルクス闘莉王に代わって、堀之内聖が先発。体調不良で欠場したMF山田暢久に代わって、西沢代志也が公式戦で初めてスタメン入りした。

 大分は前半から素早いプレスと攻守の切り替えで試合の主導権を握った。前半22分には右サイドからの低い折り返しをMF宮沢正史がダイレクトシュート。惜しくも浦和GK山岸範宏の好セーブに阻まれた。一方の浦和も同35分、ゴール前で鈴木啓太―エジミウソンとショートパスをつなぎ、最後は原口元気がクロスバーを越えるシュート放ち、応戦した。

 試合が動いたのは前半36分。自陣右サイドの深い位置から浦和DF坪井慶介がGK山岸へバックパスした瞬間、大分MF金崎夢生がボールをかっさらい、先制シュートを決めた。

 だが、その5分後。浦和は右サイドで攻撃の起点をつくり、ゴール前で西沢のラストパスに飛び込んだ山田直輝が右足でシュートをゴール左隅に決めて同点に追いついた。

 浦和は後半開始から、FWエスクデロ・セルヒオに代えて、高原直泰を投入。フィンケ監督は「高原を投入することでエジミウソンをサポートさせ、攻撃のフォーメーションを変えて後半に臨もう」と前線でのボール保持率を高めて得点を狙った。同19分には細貝萌がベンチに下がり、MF三都主アレサンドロが途中出場した。

 大分は「相手のポジションチェンジに対してラインを下げすぎているので、コミュニケーションをしっかりとって、ラインをもっと上げよう」というシャムスカ監督の指示でチーム全体を押し上げて攻勢に出た。後半8分には、右サイドからMF家長昭博がシュート。GKの好セーブによるこぼれ球に金崎が詰め寄ったが、得点を奪えなかった。同12分にも右クロスでチャンスメーク。相手のクリアボールがクロスバーに当たるなど決定的な場面をつくった。

 浦和は後半36分、原口に代わって、ルーキーMF高橋峻希が出場。豊富な運動量で前線を駆け回したが、大分同様に追加点を奪えなかった。

 結局、両者とも試合の決め手を欠いてドロー。それぞれ勝ち点1を手にした。