<J1:仙台1-2清水>◇第33節◇30日◇ユアスタ

 仙台は今季初の連敗を喫し、2ケタ順位が確定した。ホーム最終戦を白星で飾れなかったが、試合後のセレモニーでは、16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21日本代表監督に就任するため今季限りで勇退する手倉森誠監督(46)がスピーチを行った。

 スピーチ全文は以下の通り。

 「(大型ビジョンに映し出された監督就任からの6年間を振り返る)VTRを見て、涙が出てきました。考えていたことを忘れるくらい、感極まっています。まず、去年に引き続きホーム最終戦を飾れず、すいませんでした。

 去年の悔しさを胸に、今シーズンは優勝を目標に戦ってきましたが、厳しい、悔しいシーズンとなってしまいました。皆さんの期待に応えることができず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、選手たちは希望の光としての使命を果たすべく、1戦1戦に力を注いでくれたと思います。

 今シーズンの成績は、私は、決してベガルタ仙台の低迷ではないと思っています。2011年、震災の起きた年、クラブ史上最高の4位。そして、復興元年の昨年は準優勝。チームは躍進を遂げてきました。今シーズン、さらなる躍進はできなかった。ACLの戦いの中で厳しさ、悔しさを味わいました。厳しい状況の中でも、ベガルタ仙台は大崩れせず、J1で十分戦っていける土台を築けたと証明できたシーズンだったのではないでしょうか。強豪クラブになるのは、これからです!

 私は、今季限りでベガルタを退団することになりました。就任してから常々言ってきた、ベガルタ仙台は東北のシンボルになるんだと。それは、これからクラブの皆さん、選手、ここにいる(サポーターの)皆さんに託さなければなりません。

 来年、オリンピックに向けて日本を背負って戦う仕事をしてきます。東北の皆さんの意をくんで、東北のために、日本のために一生懸命、仕事をしていきたいと思います。

 その前に、メダルの前に、カップを掲げようと。サポーターの思いは、重々承知です。12月22日の東京戦、今回苦しんだリーグ戦と今日の敗戦の悔しさを思い切りぶつけたい。準決勝も国立、決勝も国立。2014年のスタートは、国立から始められるように最後を戦っていきましょう。天皇杯を取りましょう。ありがとうございました!」

 最後には、スタンドに「TEGURAMORI

 JAPAN」と記された特製のビッグフラッグが登場。さらに同じデザインのTシャツをコートの下に着込んでいた選手たちの手で胴上げされ、クラブ史上最長となる6季にわたってチームを率いた指揮官の人気の高さを印象づけるセレモニーとなった。