サッカー天皇杯国立最後の元日決勝へ、横浜の松永成立GKコーチ(51)は気持ちを高ぶらせた。「やっぱり元日にサッカーができるのは最高。準決勝に勝った夜は、興奮して眠れなかったんです」と話した。

 80年代から90年代にかけて、天皇杯で圧倒的な力をみせた横浜の前身、日産自動車。83年度に初優勝し、以後10年間で7回決勝に進出して6回優勝。松永コーチは85年度から6回の優勝に正GKとして貢献した。振り返って悔しがるのは90年度決勝。「あれに勝っていれば5連覇だった」。GKらしく、松下電器(当時=現G大阪)戦のPK戦負けを思い出して言った。

 「今の選手は昔のことは分からないし、関係ないでしょ」と話すが、現在の国立最後の決勝にチームに残ったのも「因縁を感じますね」。最後の優勝は、Jリーグ開幕5カ月前の93年1月1日。「読売との試合でスタンドは満員だった。正月の独特の雰囲気が心地よかった」と振り返った。

 選手で6回、コーチとしては京都時代の02年以来2回目の元日決勝。「最後に勝たないと意味がない。リーグ戦で悔しさは十分に味わった。今度はタイトルをとらないと」。トップチーム唯一の「日産黄金時代の生き残り」は、21年ぶりの栄冠を目指して話した。