<J2:福岡1-2松本>◇第39節◇1日◇レベスタ

 J2松本は、福岡に勝って自動昇格圏内の2位を確定させ、初のJ1昇格を決めた。長野県から初のJ1クラブ誕生となる。

 先手を取った。後半12分、パナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったFW船山がドリブルで持ち込み右足で先制ゴールをたたき込んだ。

 勢いは止まらない。同26分にはカウンター攻撃からFW山本が強烈なシュートで追加点を奪った。

 守備陣もPKで1失点したが、相手の猛攻をしのいで、でっかい白星をつかんだ。

 発奮材料もあった。2011年8月、急性心筋梗塞のため元日本代表DF松田直樹さん(享年34)が若くして亡くなった。元日本代表DF田中隼磨(32)は今季、松田さんの思いを胸に故郷のチーム「松本」に移籍。熱い思いでチームを引っ張った。

 スタンドには松田さんが生前記した「みんなでJ1」の絵馬のコピーが掲げられ、選手を後押しした。

 

 松田さんの急死以来、空き番となっていた背番号3を身にまとった田中は、故人の目標だったJ1昇格の朗報を天国に届けた。

 ◆松本山雅FC

 1965年(昭40)に山雅(やまが)サッカークラブとして創設。名称は選手が集まっていた市内の喫茶店「山雅」(75年閉店)が由来。75年に北信越リーグ発足とともに加入し、県リーグに落ちることなく活動した。04年にJ入りを目指しNPO法人ASP(アルウィンスポーツプロジェクト)を設立。05年に松本山雅FCに改称し、10年にJFL、12年にJ2へ昇格した。ホームタウンは松本市、塩尻市、山形村、安曇野市。スタジアムは松本平広域公園総合球技場(アルウィン、収容2万人)。