契約満了に伴いJ2岐阜を退団した、元日本代表のMF三都主アレサンドロ(37)が13日、中部国際空港から母国のブラジルへ帰国した。

 94年ブラジルから明徳義塾高へ留学。97年に清水でプロデビュー。01年に日本国籍を取得し日本代表では、国際Aマッチで82試合7得点をあげている。

 21年間、日本で、いろいろな経験をした。99年にJリーグMVPを獲得。W杯は02年日韓大会、06年ドイツ大会に出場。「(良い思い出は)1つではなくて、今考えると、いろいろなチームで、いろいろな経験をさせてもらったこと。どのクラブが良かったとかではなく、(在籍した)チーム全てに『ありがとう』という気持ち」と話した。

 現役続行の意志を固めている。親戚の葬儀にも行けなかったことに触れ、「(両親が)ある程度、日本にいてもいいよ、と譲ってくれました。それを考えると、親孝行したいと思う。何をすれば親が喜んでくれるかというと、自分がサッカーをしている姿を見せること」とし、今後はブラジルでプレーできるチームを探すつもりだ。

 空港には、かつて名古屋で共に戦ったGK楢崎正剛(38)GK高木義成(35)C大阪に移籍したFW玉田圭司(34)神戸DF増川隆洋(35)らが見送りに訪れた。盟友たちと久々に会った三都主は「こういうのは初めて。さみしいですよね」と少し目を潤ませ、別れを惜しんだ。

 最後に「近い将来か、遠い将来なのか、日本に恩返しがしたい。いい指導者になれるように頑張り、レベルアップした三都主を見せたいと思います」と再来日を約束。家族とともに飛び立った。