Jリーグが、2010年からアジア連盟(AFC)加盟国の選手を外国人扱いから外す方針であることが8日、分かった。現行の外国人3人枠のほかに、アジア枠1つを設けるもので、そのための検討グループを来月中に立ち上げる。アジア全体の底上げを目的とするもので、韓国、中国なども賛同。欧州のEU枠をイメージしたもので、最初は1人枠だけだが、将来的には人数制限も撤廃する。

 Jリーグがアジアサッカー発展に大きな一歩を踏み出す。アジアの選手のアジア各国リーグへの移籍自由化への第一歩となる「アジア枠」設置へ、来月に「AFC枠検討グループ」を立ち上げる。J事務局の人材育成グループを中心に、各クラブの強化責任者数人をメンバーに入れ、プロジェクトチームを結成する。

 現行の3人まで認められているJリーグの外国人枠のほかに、アジア人枠1つを設け、2年後の実施を目指す。J事務局の佐々木一樹常務理事は「AFC加盟国の選手に対し、今の外国人枠とは別に登録できるようなシステムにしたい。アジアサッカー全体の発展がJの発展にもつながる。アジアの底上げは欧州、南米に追い付け!

 追い越せ!

 にもつながる」と力説した。

 既にJリーグのAFC枠構想を韓国も歓迎している。Kリーグ金元東事務総長は「現実問題、アジアの選手が南米や欧州の選手と競合するのは難しい。ライバル国同士で競争力も高まるし、活性化するのは間違いないわけだから、アジア枠は必要不可欠かも。中国も同じ意見だと聞いている」と後押しした。

 ほかの国が賛同することで、日本のメリットも広がる。今まではJ1公式戦に出場できない若手は、出場機会を求めてJ2に移籍することが多かった。しかし、レベルの高い韓国や中国、オーストラリアなどのトップリーグに移籍できる。つまり若手のレベルアップにつながる。より活性化すれば、他のアジア諸国はベテランの再挑戦の場としても期待できる。

 佐々木常務理事は「アジア枠は日本が世界トップレベルになるための1つの課程です」と話す。日本がアジアの域を超え世界に飛び出すため、まずはアジアを1つにする。