G大阪の元日本代表DF加地亮(28)が24日、SAGAWA

 SHIGA(JFL)との練習試合で実戦復帰した。60分間プレーし、得意のクロスで1アシストも記録。右太もも打撲により、今季はリーグ開幕後の公式戦全11試合を欠場していたが、30日大宮戦(万博)での公式戦復帰に向けて視界は良好。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)とJリーグが同時進行する過密日程の中、不動の右サイドバックがようやくチームに帰ってくる。

 雨中の復帰戦で、加地が存在感をアピールした。若手にまじって出場した練習試合の前半35分、痛めていた右足からのクロスでFW平井のゴールをアシストした。「それは別に…。まだ内容をあまり伴ってないので」と照れ笑いしたが「思った以上に動けた」という。日本代表で出場した2月23日の東アジア選手権戦以来、約2カ月ぶりの実戦に笑みが広がった。

 悪夢に見舞われたのは、開幕直前3月6日の紅白戦。大量の右太もも内出血を抑えるため、夜9時すぎまで5時間以上、クラブハウスでアイシングした。自腹で医療スタッフの出前弁当を注文し、懸命の治療を受けた。それでも回復は遅れた。「打撲でここまでかかるとは思わなかった」。当初は全治3週間の診断だったが、この日で負傷から49日目。長い道のりだった。

 ようやく30日大宮戦での公式戦復帰にメドが立った。「そこを目指して調整して、ダメならまたその次ということ」と慎重だが、もう悪化の恐れはない。「あとは細かいボールタッチ。ミスを少なくしたい」と実戦感覚を課題に挙げた。体調次第で、25日にも主力組に合流し、完全復活に向けた最終段階に入る。

 右サイドバックは現在、MF橋本が務めているが、過密日程のなかで加地の復帰は朗報だ。引き分け以上ならクラブ史上初の1次リーグ突破が決まるACLの5月7日チョンブリ戦(アウェー)に向けてもプラスだ。西野監督は「ゲームに入れたから、あとは時間の問題」と手応え十分。Vロードを進むG大阪に、大きな戦力が戻ってくる。【北村泰彦】