<ナビスコ杯:(4)清水3-2G大阪(3)>◇準決勝第2戦◇7日◇万博※カッコ内は2戦合計得点

 清水が鬼門で12年ぶりの決勝進出を決めた。3-2でG大阪に勝利。第1戦が1-1だったため、1勝1分けで勝ち上がった。前半3分に3年目のMF山本真希(21)がプロ初ゴール。同点に追いつかれたが、後半1分、同10分とMF枝村匠馬(21)が勝ち越し弾を決めた。決勝は11月1日、大分と国立で対戦する。

 12年ぶり決勝の扉を開けたのは、MF枝村だった。1-1の後半1分には、ゴール前で慌てずにGKの動きを冷静に見極めて勝ち越し弾。3日の第1戦に続く2戦連発弾で勢いづくと、同10分にはDF市川の右クロスを流し込んだ。試合を決定づける2得点に「落ち着いて決められた。やったよ」と、ほおを緩めた。

 06年には4戦連続弾を決めるなど夏場に強い。本人は「たまたまじゃないですか」と謙そんするが、地道な努力の積み重ねだ。第1戦前日には、日本平での練習後にマッサージのためにクラブハウスに直行。翌日の同点弾につなげた。ケアを払い続け、この日も2得点。「気持ちの勝負と思った。みんなで『勝とう』と気持ちを高めて臨んだ」。心身ともに充実させたうえでの結果だった。

 03年8月を最後に、公式戦で5戦勝ちなし(2分け3敗)の鬼門・万博で、12年ぶりのナビスコ杯制覇に王手をかけた。当時の優勝を、枝村はテレビで見た。「(長谷川)監督がゴールを決めたのを覚えています。『すごいなー』と思ってましたね」。その同じ舞台に立つことになったが「期間がちょっとあくので、リーグ戦でもっと良いプレーをして、また成長して臨めたらと思う」と舞い上がらずに答えた枝村。「自分たちのサッカーをするだけ」。この勢いの先には、リーグ戦での巻き返しとナビスコ杯制覇が、くっきりと見えている。【浜本卓也】