神戸が今オフに大型補強に乗り出す。来季の新戦力として日本代表の横浜DF中沢佑二(30)をリストアップしていることが16日、分かった。Jリーグ関係者によると、30代の選手としては異例の2年以上の複数年契約など破格の条件を用意するという。12月6日の最終節終了後にも、本格的に獲得に動く方針だ。また、J2のC大阪が来季のJ1昇格を逃した場合、MF香川真司(19)の獲得も検討。目標のアジア・チャンピオンズリーグ出場へ、代表クラスの補強を目指す。

 神戸が、来季の補強の目玉として横浜DF中沢をリストアップした。安達社長は6日に行われたサポーターズミーティングで「神戸に行きたいと希望を持っている日本代表クラスの選手が3人くらいいる」と、来季の大型補強をほのめかしている。その筆頭候補が、日本代表の中心選手でもある中沢だった。Jリーグ関係者も「そういう(中沢獲得の)話は、実際にあるようです」と明かした。

 クラブ側は、来年2月で31歳になる選手としては異例の複数年契約を検討し、リーグ最終節終了後にも本格的に獲得に乗り出す方向だ。神戸は若い選手が多く、精神的支柱としてチームをまとめる能力を高く評価。中沢の今季推定年俸は9000万円だが、条件面でも破格のものになる可能性が高い。

 クラブは10年のACL出場を目標に掲げている。今季はまだ天皇杯を残してはいるものの、リーグ戦は12位に低迷、出場権獲得は厳しい状況だ。前線には代表のエース格にまで成長した大久保を擁し、今後は中盤、最終ラインと代表クラスの即戦力選手の獲得を進め、一気に強豪へと成長することが狙いでもある。

 昨オフは、G大阪MF家長(現大分)広島DF駒野(現磐田)の日本代表選手2人にオファーを出しながら、他クラブに奪われた経緯がある。そのため、今季は早い時期から来季編成を検討。チームの総意として「中沢取り」を最大のテーマとし、移籍市場が開く年末にかけて時間をかけて補強を進めていく考えだ。