J1リーグは23日に6試合が行われ、残留争いからの完全脱出を狙う横浜は、東京・国立競技場で「神奈川ダービー」として川崎Fと対戦。先発が濃厚な「マムシの祥平」ことMF小椋祥平(23)が「ジュニーニョ封じ」に名乗りを上げた。J2水戸時代に粘り強い守備で抑え込んだ実績があり、小椋が今季横浜に移籍したことで4年ぶりの対戦が実現。最近の3試合で4ゴールを奪われている天敵を倒し、15位からの急浮上を狙う。

 狩猟の場が、ついにやってきた。22日の最終調整で、3バックを組む中沢、栗原とともにミニゲームで汗を流した小椋は「楽しみですね。この4年間で、僕自身も力をつけたはず。体がぶっ壊れても、抑えますよ」と不敵に笑った。

 忘れもしない、04年9月26日。当時J2だった川崎Fが水戸を2-1で下し、J1復帰を決めた日だ。19歳のルーキーだった小椋はジュニーニョをマンマーク。「マムシの祥平」「水戸のガットゥーゾ(イタリア代表MF)」の異名通り、運動量と脚力で追い回し、仕事をさせなかった。あまりのしつこさに冷静さを失ったジュニーニョが、試合後、水戸の控室まで押しかけてきたという。

 今年7月の対戦では出場機会がなかっただけに、小椋は「チームにとって大事な試合。何とか貢献したい」と意気込む。横浜は、ナビスコ杯を含む公式戦で川崎Fに3連敗中で、その3試合で4得点を奪われたジュニーニョは、まさに天敵。山瀬功と松田という攻守2本柱を故障で欠く中、木村監督も「先にリードして、終盤にマンツーマンで(相手に)つけられれば一番いい」と期待する。勝てば、他会場の結果次第で15位から10位への浮上も可能。マムシが、ここぞとばかりに食らいつく。【山下健二郎】