10年スタートを想定して検討に入った国内シーズン秋春制への移行に「追い風」が吹いた。これまで観客動員などの問題から反対してきた日本協会名誉会長の川淵三郎キャプテン(71)が28日、「秋春の方が順応しやすい」と発言。同協会の犬飼基昭会長(66)が強く主張する移行に同調した。この日、都内でJリーグ将来構想委員会(鬼武健二委員長)も本格的な検討を再開し、移行を前提に議論をスタートさせた。

 10年近くも議論されてきた国内サッカーシーズンの移行問題が、10年シーズンからの秋春制導入に向け前進した。「秋春制の方が順応しやすい。W杯予選にも対応しやすい」。この日、クアラルンプールで開かれるAFC(アジア連盟)プロリーグ特別委員会に出席するため成田空港を出発した川淵キャプテンが、反対から賛成へと立場を変えた。

 これまで、減少が予想される観客動員などの問題から移行へ反対の立場を貫いてきた。しかし、7月に就任した犬飼会長が2、3月開幕~翌年1月1日終了の現行から、10年シーズンからの秋開幕~翌春終了への移行を主張。同キャプテンは「積雪のある地方のことは考えないといけない。画期的な解決策が見つかればいい。各クラブがお金を出し合って練習場確保のために費用負担をするとか」と、移行にあたってのデメリットの解決策へも踏み込んだ。

 この日、都内で行われたJリーグ将来構想委員会でも、メーン議題としてシーズン移行について話し合いが行われた。Jリーグチェアマンの鬼武委員長は「あらためてシミュレーションしてみようということになった。議論をした99年とは状況も変わっている」と日本代表を含め国内日程が過密になっている点など変化を指摘。その上で「ノーから入って議論しても意味がない。イエスの前提から入って話し合い、ノーなのかやってみようかというふうになるのか、きちんと議論していきたい」。年内に2、3回委員会を開いて結論を出すことにしているが、状況は秋春制移行へ動きだした。