Jリーグ鬼武健二チェアマン(69)が、日本協会の犬飼基昭会長の改革案に「NO」を突きつけた。18日、都内でJリーグ将来構想委員会を開き、同会長が提案した(1)10年からのシーズン秋春制移行(2)ナビスコ杯の五輪方式導入(3)天皇杯の日程見直しについて討議。鬼武チェアマン(C)は「無理が通れば道理が引っ込む、というわけにはいかん」と会長の提案に不快感を示し、現段階では受け入れない方針を示した。

 (1)シーズン制移行

 委員会では9月開幕~5月末の秋春制で試合日程をシミュレーション。11年1月のアジア杯(カタール)など日本代表の活動期間を考慮すると、リーグ戦8~9試合が未消化になると結論付けた。欧州のように、8月中旬から前倒しで開幕する例もあるが、鬼武Cは「猛暑や雷雨があるから7、8月はやらないという(シーズン移行の)大前提が崩れる。準備が必要だし、10年からは無理」と断言した。

 (2)ナビスコ杯

 犬飼会長は若手育成を図るため、出場資格を23歳以下の選手とオーバーエージ(年齢制限外)3人に制限する「五輪方式」を提案。鬼武Cは「ニューヒーロー賞を設けたり、代表がいなくても若い選手が盛り上げている。JリーグのことはJリーグが決める」と突っぱねた。

 (3)天皇杯

 犬飼会長はシーズン移行を視野に、元日決勝を含めた日程見直しを示唆。鬼武Cは「日本で最高の大会なら、シーズン終盤に決勝を行うべきだ。シーズン移行とは別問題」。

 将来構想委員会は来月初旬に再開して継続審議するが、第2回の会合で早くも犬飼会長の案が否定されるという事態に陥ってしまった。【山下健二郎】