コンサドーレ札幌の来季監督に現柏監督の石崎信弘氏(50)が就任すると29日、クラブが正式発表した。1年契約で年俸は2000万円(推定)。今季最後の大会となる天皇杯で柏の指揮を執っている石崎氏は、この日の準決勝で東京を2-1で下した後、新天地での意気込みを口にした。来年1月10日前後に就任会見、18日にキックオフイベント出席を経て、21日スタートのグアムキャンプから、J1昇格へ向け、新指揮官の下、チームは動きだす。

 09年札幌の新指揮官が正式に決まった。この日、柏を75年度(前身の日立製作所)以来の決勝に導いた東京戦後、石崎氏は来季J1復帰を目指す札幌への思いを口にした。

 石崎氏

 札幌ではレイソルでやっていたような、全員で攻撃し全員で守備をする、運動量豊富なチームをつくりたい。

 “縁あっての”監督就任だ。東農大卒業後、80年から93年までDFとして札幌の前身、東芝一筋でプレーした。この日、当時を懐かしむように「札幌の赤黒のユニホームは、ACミランをモデルにして自分が『やろう』と言ったのが始まり」と明かした。「試合以外では行ったことがない」という北海道だが、深い思い入れのあるチームの指揮を執る。

 選手については「実際この目で見ないと分からない」と話すにとどめたが、チームの中核となるべき存在にクライトンを挙げた。「対戦していても嫌な選手だったから。実績ある彼が残留してくれたのは良かった」。これからじっくりと詳細なプランを練っていくことになる。

 札幌にとっては適任の指揮官といえる。来季方針は若手主体。そこで「若手を見いだす力にたけ、育成力に定評がある」と強化部は石崎氏に白羽の矢を立てた。年俸は今季の推定3500万円から推定2000万円と格安での契約となったのは、山形時代をともにした三上強化部長の存在があったから。「後輩から頼まれたんだから」と引き受けたおとこ気は、若いチームにはプラスに作用するはずだ。

 年明けの1月10日前後に来札し、就任記者会見を行う予定。クラブ側は03年のジョアン・カルロス氏就任以来、6年ぶりに会見場としてホテルを用意し、新指揮官を迎え入れる。練習の基本方針は徹底した走り込み。三上強化部長は21日からのグアムキャンプを「走りっぱなしになるでしょうね」と想定した。基本であるフィジカル面の再構築から、札幌の09年の戦いが始まる。