大宮、神戸からもオファーを受けていた横浜DF中沢佑二(30)が残留を決めたことが13日、明らかになった。すでに断られていた神戸に続き、この日、大宮へも断りの連絡が入った。中沢は14日に横浜市のクラブハウスを訪れ、契約の最終確認を行い、決意を表明する。

 横浜は3000万円増となる年俸1億2000万円の3年契約を提示するも、大宮、神戸はそれを上回る好条件を示した。中でも大宮は1億5000万円の3年契約に加え、親会社であるNTT関連の広告塔として期待するなど待遇面でも優位に立っていた。

 条件で劣る横浜は、一貫して熱意をアピールしてきた。この日も斎藤正治社長は「人事は尽くしたつもりなので、天命を待ちます。聞こえてくるところでは条件で他クラブにかなわないようだが、どれだけ必要で欠かせない選手かを説明してきました」と語った。松本チーム統括本部長も「うちは『心』しかない。心が通じたか、どうか。明日の答えを待ちたいと思います」と、最後まで熱意を強調した。結果として、こうした気持ちが中沢へ届いたことになる。

 中沢も大いに迷ったようだ。当初は昨年末までに答えを出す予定も「1月10日まで考えたい」と期限を延ばした。海外自主トレを終えて帰国した9日には、さらに「もう少し考えたい」として返答を延長していた。大きく揺れていた日本代表DFの心は、横浜残留でピタリと止まった。