静かなシーズンインとともに、激しい司令塔争いのゴングが鳴った。大分は1月31日、大分スポーツクラブで全体練習を開始した。司令塔候補で、それぞれ日本代表定着を狙うMF金崎夢生(19)と家長昭博(22)は、2班に分かれてのランニングをそれぞれの班の先頭でけん引。今季にかける意気込みを示した。

 ランニングのほか、ストレッチ、ボール回しと約1時間半の軽めの練習。それでも2人のハートはフツフツ燃え上がっていた。春季キャンプ前の右ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷で、昨季1番手候補だった司令塔を金崎に譲った格好の家長は「ポジション争いは毎年のこと。それに勝っていかないと。いいプレーしないと試合に出られない」と定位置奪取をもくろむ。

 一方の金崎も、定位置確保に全力だ。昨季、家長離脱後にトップ下でブレークし、今年1月には日本代表でデビューした。それでも「昨年のことは関係ない。レギュラーは誰にも保証されたものじゃない」とチャレンジ精神を失わない。

 シャムスカ監督は今季フォーメーションについて、4バック(4-4-2)のオプションを示しながら「3バック(3-5-2)を完全に変えることはない」と方針を明かし、2人の競争を歓迎した。07年に日本代表デビューした家長は、1月に日本代表招集された金崎とDF森重も意識し「年下の選手が代表に行った。個人的にも日本代表に入らないといけないと思っている」と、定位置奪取から日本代表復帰をもくろむ。代表帰りの金崎も「Jでアピールして代表に戻りたい」と宣言。日本代表定着を狙う2人の司令塔候補の激しい定位置争いが、得点力アップでリーグ優勝を狙う09年の大分の原動力となる。【村田義治】