元Jリーガー山田隆裕さん(36)が代表を務めるメロンパン移動販売業「東北フーズショップ企業組合」(仙台市)と契約し、移動販売をしていた男性らが「パン生地の質が落ちて損をした」として、加盟金返還や損害賠償など約1300万円の支払いを組合に求めた訴訟の判決で、仙台地裁は26日、計約316万円の支払いを命じた。

 沼田寛裁判長はメロンパンの売り上げが低下した要因として「組合が有力な販売先を提供せず、組合が供給したパンの生地が製造工程の変化で味が変わった」と指摘。「販売先の開拓義務や、生地の品質保持義務を怠った」として、組合の賠償責任や加盟金の返還を認めた。

 組合側は「手作り生地から機械生産への変更は事前に説明していたし品質は変わらない。売れないのは流行や競合他社の進出などの事情」と主張していた。

 判決などによると、男性5人は組合と賛助会員契約を締結。50万円の加盟金を支払うなどし、500万円台で移動販売車も購入。組合から「1日700~1000個売れる」と言われたが、売り上げは伸びず、05年に販売をやめるなどした。山田さんはMFとして横浜マリノスなどで活躍、日本代表にも選ばれた。03年の引退後に組合を設立、メロンパンを販売し、仙台市などで一時ブームになった。