<J1:京都1-0神戸>◇第1節◇8日◇西京極

 京都が1-0で神戸との「関西ダービー」を制し、J1で12年ぶりの開幕戦勝利を飾った。前半36分に日本代表入りが期待されるDF渡辺大剛(24)のゴールで先制すると、虎の子の1点を守り切った。開幕前に加藤久監督(52)が右アキレスけんを断裂するアクシデントもあったが、まずは1勝を挙げた。

 狙いすました一撃が、古都に歓喜をもたらした。決勝ゴールを奪ったのは、DF渡辺だ。前半36分、MF安藤からパスを受けると冷静にGKの位置を確認。右足で流し込んだ。「アンちゃん(安藤)がスペースを作ってくれた。それを決めるだけだった」。

 開幕前に加藤監督が右アキレスけんを断裂し、つまずいた。選手は試合で結果を出すことが良薬と、12年ぶりのJ1開幕戦勝利を贈った。97年は17チームで実施されたため京都の初戦は第2節で、開幕節に勝ったのは初めてだ。「選手はよくやってくれた。狙い通りのサッカーができた」と加藤監督は目を細めた。

 決勝点の渡辺は、日本協会から「常にパスポートを所持するように」と指示されている、日本代表目前の1人だ。この日も協会の原強化担当技術委員長、代表の大木コーチが視察する前できっちりアピールした。

 弟の横浜FW千真(かずま)が前日にゴールを決めたことにも刺激を受け「開幕兄弟アベック弾」。だが、浮かれるわけにはいかない。「試合前に原さんからあいさつされました。でも、京都で結果を出すことしか考えていない」と渡辺。昨季は全34試合にフルタイム出場した古都の鉄人が、まずは開幕前の「厄」を払った。【奈島宏樹】