<J2:東京V2-0鳥栖>◇第8節◇15日◇味スタ

 東京VのMF菅原智(32)が、Jリーグ最短となる「0分」で退場した。鳥栖戦の開始から6秒で、相手FWを後方から引きずり倒し、得点機会を阻止したとして主審からレッドカードを提示された。公式記録上は「0分」の退場で、過去の最短記録「1分」を塗り替える不名誉な?

 記録となった。菅原を除く10人で残りの約90分間を戦い抜いた東京Vは2-0で勝ち、連敗を2で止めた。

 キックオフの笛が響く中、菅原は余裕を持ってFW大黒からのバックパスをスルーした。だが、振り返ると、後方にいるはずの味方DFがいない。無人のスペースを転がるボールに、鳥栖FW池田が目ざとく走り込み、GKと1対1になろうとしていた。慌ててボールを追った菅原は失点を防ごうと左手を伸ばし、池田を引きずり倒した。

 開始6秒。主審の笛が鳴った。東京V高木監督は「その瞬間(腕)時計を見ていたので、何が起こったのか分からなかった」。自らに向かって掲げられたレッドカードを、ぼうぜんと見上げる菅原の姿に東京Vの選手らはあぜんとした。プロ15年目の菅原にとって初の一発退場。しかも、開始6秒での退場はJリーグ最短だ。90年12月にセリエAで記録され、主要プロリーグの中で「世界最短」とみられている開始10秒の退場より短時間の退場となった。

 「0分」で退場者を出したにもかかわらず、東京Vは2-0と完勝し、連敗を2で止めた。決勝点のMF柴崎は「まさか一発退場とは思わず、びっくりした。でも逆に集中してプレーできた」と話した。不名誉な?

 記録にはチームを引き締める効果はあったようだ。