今季初の静岡ダービーは19日、エコパ(午後1時開始予定)で行われる。J1磐田はFW前田遼一(27)が、2戦連発弾を決め、今季初勝利に導く。7戦未勝利のチームに、頼れるエースが奮起する。

 本番さながらのまなざしで、FW前田はボールをセットした。練習後柳下監督が見守る中、PK練習を1人行い、きっちり3発。ゴールネットに突き刺した。指揮官から「PKの1番手は遼一(前田)」と、キッカーとして直々に指名された前田は、清水GK西部について聞かれ「身体能力が高いイメージがある。まあ、がんばります」。前節千葉戦(11日)に続く2戦連発弾に照準を合わせた。

 試合と同じピッチ環境で練習を積んだ。現在、練習場の大久保グラウンドの芝生は、エコパと同じ18ミリ。対する清水の三保グラウンドは10ミリと、倍近いその差はボールスピード、スパイクの踏み込み具合など、プレー自体を左右する。実際、昨年11月のダービーでは、清水DFがいつもより深い芝生に足を取られたすきに、試合終了間際に前田が決勝点を決めた。「エコパ(の芝生)は少し長い気がするけど問題ない」と、自信をのぞかせた。

 決めれば今季ホーム初ゴール。新助っ人FWイとの2トップで、16日の練習試合では1得点1アシストし「自分の動きをよく見てくれている」と、手応えを感じている。今季公式戦7戦未勝利のうっぷんも、エースの1発がすべてを吹き飛ばす。【栗田成芳】