思い入れを排除して「恩返しの左キック」を古巣に食らわせる!

 J1山形DF石川竜也(29)が21日、ホームに迎え撃つ25日鹿島戦に自信を見せた。5年間在籍したクラブとの対戦を「うれしい」と喜ぶ一方、余計な感情は捨てて勝負に徹する。マンツーマンで対応されない限り、左クロスを供給できると確信。昨季のリーグ王者から、勝ち点ゲットを狙う。

 「左のスナイパー」は、王者・鹿島に在籍する日本代表や同経験者の名前を、臆(おく)することなく挙げながら「その日」を心待ちにした。

 石川

 ソガ(GK曽ケ端)ミツオ(MF小笠原)コージ(MF中田)とか、同年代は本当に仲がいいし、対戦がうれしい。一番長くいたチームで、最初のチーム。思い入れはあるけど、試合になれば、そういうのは関係ないです。

 5年間、在籍し切磋琢磨(せっさたくま)した思い出は、今なお石川の胸にしっかり刻まれている。だが、感傷は捨てる。2年間の期限付き移籍を経て今季、山形に完全移籍した「大黒柱」は、古巣からの勝ち点ゲットこそ「恩返し」ととらえた。

 石川

 G大阪(17日1●2)とはまた違うけど、同じくらい力があるチーム。守備が長くなるだろうけど、ガンバ戦の修正をして臨みたい。

 自らの「左足」の出来が結果を左右することは、自覚済みだ。「相手も特徴を分かってると思いますが(相手が)マンツーマンじゃなければ、できる」と自信をみせた。出場機会を求めてレンタル移籍し、東北の地で昇格を成し遂げた。「試合に出て、成長できることもある」という石川は、結果を古巣に見せつけるつもりだ。

 鹿島を「毎年、優勝をしなければいけないというか、意識が高いチーム」と分析する石川。その鹿島から勝ち点を奪えたら-。チームの“成長促進剤”として、うってつけの勝ち点を、自身の左足で引き寄せる。【山崎安昭】