<J1:清水3-1大分>◇第12節◇16日◇アウスタ

 主力の相次ぐ負傷離脱で最下位に低迷する大分が、緊急補強に動くことが16日、分かった。大分はこの日もアウェー清水戦に1-3で敗れ、連敗は「9」まで伸びた。シャムスカ監督(43)を支援していく方向のフロントは、緊急補強のリストアップ作業を進め、磐田のMF太田吉彰(25)を有力候補とした。23日の広島戦後、リーグ戦が中断する約1カ月の間に選手補強を敢行し、チーム再建を図る。

 真っ暗なトンネルはまだ続く。清水とは昨季リーグ戦で1勝1分けと負けなし。優勝したナビスコ杯でも決勝で対戦した「いい思い出」の相手だ。しかし、そんな昨季の大分の面影はまるでない。ブラジル人トリオを含む故障者6人と出場停止1人の主力計7人を欠く布陣では勝負にならず、1-3の完敗で、泥沼の連敗は「9」まで伸びた。

 溝畑社長は試合後「シャムスカ監督は頑張っている。全力でサポートしたい」とかばったが、監督人事や選手補強問題を問われると「それ(監督人事や補強問題)も含め現場と話してみる」と渋い表情で続けた。

 体制は支援するが、これ以上手をこまねいてもいられない。チーム再建に「補強」の選択肢で動く。23日の広島戦後、リーグ戦は約1カ月中断。その間に緊急補強を行う考えだが、すでに進めているリストアップ作業の中で、磐田のMF太田が浮上していることが分かった。

 クラブ幹部が「第1弾は前(のポジション)から。太田も候補の1人」と明かす。太田は抜群のスピードと突破力を誇る。しかし昨季は右ひざの負傷から、わずか1試合の出場にとどまった。ポジションが日本代表の駒野と重なることもあり、今季は控えが続く。ただ、大分には「とるなら前で、スピードがある選手」という狙いに合致する。出場機会を求める太田にもメリットは多い。

 FW高松、ウェズレイ、森島、MFエジミウソンは6月20日からの14節に間に合う可能性があるが、攻守の要MFホべルトが復帰するのは早くて7月。太田が加入すれば「両サイド」というチームの課題克服にもつながる。内部の“駒”を必死に動かしても、泥沼の連敗から抜け出せない。外部の血を入れて、何とか活性化させるしかない。