<J2:札幌1-1横浜FC>◇第23節◇24日◇札幌厚別

 厚別で勝てない…。J2札幌は横浜FCと1-1で引き分けに終わった。後半開始50秒でPKから失点。同28分にDF西嶋弘之(27)のヘッドで同点に追いつくも、追加点が奪えず勝ち点1に終わった。札幌はこれで4試合連続白星なし、J1昇格圏の3位仙台との勝ち点差は、今季最大の15に開いた。厚別開催試合では12試合連続未勝利と、クラブワースト記録をさらに更新してしまった。

 札幌が、またもむなしさだけが残る寂しいドロー劇を演じてしまった。今季札幌厚別での4試合すべて引き分け。味気ない幕切れの連続に、サポーターの拍手もまばらになった。「点が取れないのは個人のセンスなのか、戦術なのか、精神的なものなのか…」。たたみかけながら勝ちきれない戦いに石崎監督の声も力がなかった。

 序盤は中盤で目指している、つなぐサッカーをしながらパスミスを連発した。ダイレクトパスが少なくテンポが悪いため、DFラインでボールをつなぐシーンばかり。石崎監督は0-1で迎えた後半16分にFW中山を投入して3-5-2にシステムを変更。高さのあるFWを目がけて、ボールを放り込むという、狙いははっきりしているが、石崎流とは別路線の戦いにシフトチェンジした。

 そしてチャンスはできた。西嶋の同点弾が決まった後、同29分からはトップ下にFW上原も投入。残り5分以降、ほとんどボールを奪われず、決定機をつくり続けたが、それでも結果は1点止まり。「監督も自分たちも目指しているものは違う。ただ勝つために、点を取るためにはいろんなことをやらなければいけない」と上里。中山も「こういうときこそ僕らサブのメンバーが結果を出さなければいけないのに、そういう仕事ができなかった。どんな形であれ最後は勝利という結果がほしかった」と肩を落とす。本意ではないスタイルを取り入れても、結果は出なかった。

 これで17位の横浜FCにも勝てず、まだリーグ半分が終わっていないにもかかわらず、早くもJ1昇格は厳しい状況になってきた。現在勝ち点33の札幌が、目標とする昇格ライン100に到達するには残り28試合で22勝しても届かない。4勝1敗のハイペースでもたどりつかない。中2日で3位仙台戦が控える。頭を切り替えて、がむしゃらに結果を求めなければいけないところまで追い詰められている。【永野高輔】