日本代表MF中村俊輔(31)の獲得に失敗した横浜斎藤正治社長(59)が27日、全責任を負う形で自らに役員報酬の50%をカットする処分を科した。横浜市のマリノスタウンでクラブの管理職者を集めて会議を開き、獲得失敗に至る過程などを説明し「すべて代表である私の責任」と認めた。その上で、自らに科した処分を伝えた。期間は、7月からクラブの会計上の区切りになる来年1月までの7カ月間となる。

 斎藤社長は「残念な結果に終わり、クラブに損失もあった。何よりファン、サポーターの方々を失望させた大きな問題。責任の所在を明確にすべきだと思いました」と語った。獲得失敗に至る具体的な理由について「6月8日の(中村の代理人との)会談に私も出て、方向付けをすることになった。このやりとりで潮の流れが変わった」。同日の交渉で、すでに合意していた年俸以外の諸条件に対し、同社長が難色を示したため中村側の不信感を招いた。

 この日の会議では、今後のクラブ経営のあり方などについても話し合われた。経営陣に対する厳しい意見も出たが、最終的にはクラブ一丸となって立て直す方針を確認し合った。斎藤社長は「100%かは分からないが、理解を得ることはできたと思っています。これ以上マリノスのイメージを損ないたくない。クラブ一丸となって信頼感を取り戻したい」。確かに大きな失敗で、反省点は多い。だが、クラブの未来へ向けて立ち止まるわけにはいかない。28日のG大阪戦(ホーム)に勝利し、景気よく再出発したい。【飯島智則】