王座奪回を狙う4位浦和が「ティーンエージ・カルテット」で首位鹿島を追撃する。2日、さいたま市内で4日山形戦へ向けて非公開練習を実施。故障や出場停止で主力を欠く中、ユースから今季トップ昇格したDF高橋峻希(19)と永田拓也、MF山田直輝、FW原口元気(いずれも18)が、同戦で同時先発する可能性が出てきた。

 浦和の10代選手4人のスタメンそろいぶみは、97年のFW佐藤(19歳)永井(18歳)MF城定(19歳)DF田畑(18歳)以来。ただし、厳しい台所事情の裏返しでもある。警告累積で山形戦出場停止の右サイドバック(SB)山田暢に加え、左太もも痛からの戦列復帰が期待されていたセンターバック坪井も、この日の練習に参加できなかった。山形戦は前節神戸戦と同様に、ボランチの阿部が坪井の位置へ、左SBの細貝がボランチへコンバート濃厚。そこで左SBには神戸戦でリーグ戦初出場初先発した永田が、同右には本職の高橋がスタメン有力候補に浮上した。

 今季からフィンケ監督のもと、人もボールも連動するパスサッカーへ変えた。下部組織時代から同じスタイルに慣れている「トップ昇格組」の適応力は高く、運動量を評価する同監督も、既に全員を公式戦でデビューさせた。信藤チームダイレクターは「監督の指導を受けて、我々の想像を超えた速度で成長している。驚きだ」という。

 現在の戦力事情と4人同時先発を想定すれば、山形戦先発11人の平均年齢は24・09歳。ナビスコ杯予選リーグを含めた浦和の今季公式戦最年少布陣となる。勝ち点10差の鹿島追撃へ。若き赤い悪魔たちが、スタンバイした。【山下健二郎】