<J1:東京3-0大宮>◇第18節◇18日◇NACK

 東京はFW平山相太(24)の2得点で大宮に3-0と快勝し、チームタイの5連勝をマークした。

 5試合連続ゴールのMF石川の陰に隠れていたFW平山が2ゴールを決めた。前半44分、ペナルティーエリアに入ってパスを受けると大振りせず右足で、確実にGKの横を抜いた。クリクリ頭をチームメートにたたかれ、得点感覚は研ぎ澄まされていく。2点リードの後半ロスタイムには、速攻から左足で豪快なシュートを浴びせた。

 リーグ戦の1試合2得点は07年8月29日の広島戦以来。それでも、試合後は「もっと取りたかったです」と、あごから汗をしたたらせてぼくとつと言った。「僕は周りに使われるタイプ。1点目も羽生さんがくさびに反応してくれたから得点に結びついたと思います」。どうすれば自分を使ってくれるかを真剣に考え、悩んできたからこそ、やっとチームの中で生きる残る道を得た。

 城福監督は苦笑いで吐露した。「丸刈りにしたあたり(5月中旬)から目の色が変わった。本人も危機感があったと思う。僕は、彼がオフもほとんど出て練習していることを知っている」。DF長友は「練習もすごく必死にやっている」と言い、DF今野も「キープする時と、簡単にパスする時を見極めている。パスを出しやすい」と、動きの質を強調した。

 高い潜在能力を秘めた身長190センチのストライカーへの信頼は高まる。MF石川の言葉が全員の気持ちを代弁していた。「相太がバッチリ決めてくれた。これが本来の姿。FWが得点して、チームとして勢いが出る」。不完全燃焼はもう過去の話。点取り屋にとっても夏本番はこれからだ。【井上真】