日本サッカー協会の犬飼基昭会長(67)が24日、浦和フィンケ監督(61)の発言に激高した。22日の広島戦で、ペナルティーエリア内で相手にチェックを受けたFWエスクデロが立ってプレーを続行したことに、同監督が「倒れるべきだった」と公言。これに対し、同会長は「指導者の資格はない」と切り捨てた。浦和は同監督の来季続投方針を固めているだけに、波紋が広がりそうだ。

 犬飼会長の怒りは収まらなかった。この日、都内のJFAハウスで行われたNACK5「FUN !

 FUN !

 SOCCER ! 」(毎週土曜午前6~7時)の収録で、浦和フィンケ監督がエスクデロのプレーに対して「倒れるべきだった」とコメントしたことに「論外ですね。指導者の資格ないよ」と切り捨てた。収録後も、怒りの言葉は止まらない。

 犬飼会長

 フィンケは本当にそんなことを言ったの?

 信じられないね。そこまで追い込まれているのかな。「倒れろ」じゃなく、もっと教えることがあるだろう。そんな監督に出会った選手たちは不幸だね。

 日本が目指す方向とは真逆の指導法に、同会長が怒るのも当然だ。海外のトップチームと対戦した時、日本代表はフィジカルの弱さを指摘されることが多い。相手のタックルを受けてピッチ上で倒れても、世界基準では笛が吹かれないことが多く、相手に逆襲を許す場面が目立つ。

 犬飼会長

 国際試合で倒されて、踏ん張れなくてシュートまで持っていけなかったということが多い。プレミアを見ても、際どいプレーではまず立って次のプレーをやってから、リアクションを起こす。日本のサッカーにとっては不幸な話だ。

 怒りの矛先は、フィンケ監督をコントロールできない浦和のフロントにも向けられた。同監督は、ナビスコ杯準々決勝(7月29日)の清水戦後の会見でも、MF山田直がペナルティーエリア内で倒れなかったことを非難し「PKをもらうことができたはず」と話しており、同会長は「フロントが『あなたは間違っている』と伝えないといけない。言わないなら、幹部の怠慢だよ」と続けた。

 会長を激高させたフィンケ監督の発言には、松崎審判委員長も「あの場面では倒れても笛は吹かない。『審判をだませ』ということなら、とんでもない発言だ」と話しており、今後、波紋はさらに広がりそうだ。【盧載鎭】