コンサドーレ札幌の高校生Jリーガー、MF古田寛幸(18)がシーズン終了後にプロ契約を結び、クラブから「特別査定」を受けることが3日、分かった。今季は札幌ユースとの2種登録選手ながら定位置を確保した。来季の契約更改ではクラブは今季の成績を大きく加味。チームの軸として期待し、複数年契約を提示する方針を固めている。年俸もA契約1年目の年俸最高額となる700万円を提示する可能性もあるなど、将来的な他クラブへの流出阻止へ、最大限の誠意を示していく。

 札幌初の高校生Jリーガー古田に、クラブが最大級の評価を与える。シーズン終了後にプロ契約を予定しているが、早くも「特別査定」の検討に入った。矢萩竹美社長(59)は「来季プロ契約を結ぶ時には今季の成績を上積みする」とプランを明かした。今季の活躍は、プロ1年目の来季契約に余すところなく盛り込む。

 札幌の高卒新人の平均年俸は推定350万円前後だが、古田の年俸はそれを大きく上回ることが確実だ。2日水戸戦まで6試合出場で456分出場と、年俸の上限がなくなるA契約の条件900分出場が視野に入っている。A契約1年目は最高額が700万円に制限されるも、残り試合の活躍次第では“満額回答”も十分可能。若手の主力級と変わらないだけの金額を手にする可能性もある。

 他への流出阻止という狙いがある。移籍金の撤廃と、契約満了選手との交渉解禁日の前倒しを定めた新ルールが適用された今年、10月から他クラブとの契約交渉が解禁される。札幌は昨季終了後の契約更改で、チームの核になるであろう若手選手には複数年契約を提示し、流出に備えてきた。今オフは当然、古田にも複数年契約を提示する。金額、契約年数と最大限の誠意を示し、ジュニアユースから育ててきた「札幌の至宝」を守り抜く。

 古田自身も期待の大きさは分かっている。「今年活躍しないと今後の人生が左右される。ただお金が欲しくてサッカーをやっているわけではない。残り試合でアピールして、使える選手というのを証明したい」。8月から定位置を奪取し、U-18日本代表にも選出された。札幌の未来を背負う逸材は、名実ともチームの中心になっていく。