磐田のFW中山雅史が23日、42回目の誕生日を迎えた。今季はナビスコ杯の1試合出場にとどまり、まだリーグ戦での出番はない。それでも、この日も磐田市内で行われた全体練習後に居残りで走るなど、J1最年長記録となるリーグ戦出場への意欲は衰えていない。12月5日の最終節まで、あと8試合。「2年、3年先が見える状況でもない。明日を精いっぱい生きる」と、残り試合に懸ける不退転の決意を明かした。

 42歳を迎えた中山には誕生日という浮かれたムードはなかった。「個人的に厳しい状況だが、自分を強くし続けられていると信じて、突き進んできたい」。今季、ラモス瑠偉の「41歳9カ月5日」のJ1最年長出場記録を抜く可能性のあるプロ16年目のベテランは、今季リーグ戦に出場していないことに危機感を感じながら決意を語った。

 先週、プロ野球横浜の工藤投手が46歳でもなお、来季の現役続行を望んでいるというニュースを見聞きした。

 中山

 今は(練習で)プレーしているだけ。他の競技で40歳を過ぎて活躍している人は刺激になる。新聞で載っているのを見て、自分はそこには載れていないことに、情けないなと。

 今季の公式戦はナビスコ杯1試合のみ。先月22日の清水戦では、今季初めてリーグ戦でベンチ入りを果たしたが、1-5の大敗に出番はなかった。若手の台頭もあってリーグ戦からは遠ざかっている。だが、衰えたとは思っていない。誰しもが抱くであろうベテランの悩みとは無縁だ。

 中山

 どんな一流選手でも気持ちと動きのギャップを感じると思う。(元フランス代表MF)ジダンにしてもヒデ(元日本代表MF中田英寿氏)にしても。その点で、僕はまひしているのかもしれない。まだまだいけるという気持ちが(ギャップを感じることを)抑えているのかもしれない。

 磐田とは今季終了までの契約で、来季の契約更新についてはまだ白紙の状況だ。だが、今後の進退についてはっきりと言い切った。

 中山

 よく「なんでそこまで現役にこだわるの」って言われるけど(逆に)「なんでこだわらないの?」って思う。でも、2年3年先が見えたり言えたりする状況でもない。明日を精いっぱい生きることですね。

 42歳になった「ゴン」の戦いは、まだ終わらない。【栗田成芳】